ヒラルディ邸の色彩心理学

ヒラルディ邸の色彩心理学

ヒラルディ邸とはメキシコ人の建築家ルイス・ラミロ・バラガン・モルフィンが最後に設計した1975年の作品です。

10×36mの敷地内にはスタッコ(化粧漆喰)で覆われた煉瓦を素材として使用した外壁や、光の射し込む廊下やプールなど、彼の色と光を通した遊び心がたくさん詰め込まれています。

この記事では彼がメキシコの芸術家チューチョ・レイズ(Chucho Reyes)の絵画から採用したと言われるヒラルディ邸の色彩に注目して心理学的に分析してみました。

なぜ建築の色彩に注目するのか

人間は5感を通じて情報収集していますが、その中でも視覚からの情報が約87%を占めます。

色彩心理学は2003年にアメリカで始まった比較的新しい学問ですが、視覚からの情報収集の割合が多い人間の心に、長時間過ごす空間である建築の持つ色彩が与える影響は大きいとされるのです。

そのためヒラルディ邸だけではなく全ての建築の持つ色彩が人間の心にどのような影響をもたらすかを知ることは有意義なことと言えるでしょう。

ルイス・バラガンがこだわった建築の色彩

ルイス・バラガンは元々白色の建築を作っていましたが、前述のチューチョ・レイズ氏の影響で色彩の研究に没頭するようになりました。

その結果彼はメキシコ人の生活の中にある「ピンク」「赤錆色」「赤」「黄色」「黄土色」「青」「白」「薄紫」の8色を建築に取り入れるようになったのです。

ヒラルディ邸に用いられている色彩とは?

ここに3枚のヒラルディ邸の写真をご用意しました。

1枚目は外観で、使用されている色彩は割合の多い順に白×ピンク×青です。

2枚目はプールで、同じく白×青×赤です。

3枚目は扉と部屋で、同じく黄色×青×赤×白です。

インテリアにおいては70%のベースカラー(基調色)と、25%のアソートカラー(配合色)、残りの5%はアクセントカラー(強調色)という配色が「インテリア黄金比」と呼ばれますが、どの写真を見てもこの割合に近いためバランスが良いと言えるでしょう。

これを踏まえて1つ目の外観の色の持つ心理的効果は次の通りです。

・白→緊張感を高める
・ピンク→女性ホルモンの分泌を促進する
・青→血圧・脈拍・体温を下げ、心身をリラックスさせる

外観を見てどのような建物かどきどきできるけれど、女性にも親しみやすく配慮された配色と言えます。

2つ目のプールはどうでしょうか。

・白→呼吸をしやすくする
・青→集中力を高める
・赤→脈拍や呼吸数を増加させ活動的にする

部屋の中でリラックスしながらも集中し、何か良いアイデアを生み出せる空間といったイメージです。

最後は3枚目の扉と部屋です。
・黄色→自分次第でプラスにもマイナスにもなる
・青→副交感神経を優位にして神経の興奮を鎮静する
・赤→交感神経を優位にして神経を興奮させる
・白→あらゆる色のエネルギーを内包し自己治癒力を高める

正反対の心理的効果を活用して、人間がニュートラルな状態でいることの大切さを表現しているかのようです。

まとめ

ヒラルディ邸はまだ色彩心理学の概念が確立されていない時代に建てられたにもかかわらず、色が人間心理にもたらす効果を上手に活用している建築だとわかりました。

もし興味があれば、ぜひ他の建築物も色彩心理学を用いて分析してみてください。

image

業務のお問い合わせ・ご相談・ご依頼など、お気軽にお問い合わせください

お問い合わせフォームよりお問い合わせを受け付けております

PAGE TOP